俺も続く! 今日31日のヤクルト戦で今季初登板を迎える阪神能見篤史投手(35)が神宮球場で調整。新しく張り替えられた人工芝などを確認した。巨人戦で開幕投手を務めた昨年は5回もたず10失点KOの屈辱。左腕エースのシーズン初戦は3年連続未勝利ながら、チームの勢いに乗る。

 カクテル光線に照らされて、コロコロと転がる白球を見つめた。能見ら投手陣は新しく人工芝を張り替えた神宮のフィールドをチェック。なかなかファウルゾーンに切れず、白線にそってフェアゾーンを転々…。能見は言う。「確認することができた。準備はしっかりできたね」。今季初登板を前にリハーサル完了だ。

 合言葉は「眠れるツバメ打線を起こすな」だろう。ヤクルトは開幕カードの広島3連戦で、セ・リーグ唯一のノーアーチ。チーム打率もリーグワーストの2割8厘だ。だが、昨季、神宮でのヤクルト戦は打ち合いになった。被打率3割2分6厘、防御率6・77の惨状だ。バレンティンこそ不在だが、山田や雄平、右肩手術明けのミレッジら長打力のあるキャストがそろう。

 能見 年も変わっているから、ちょっと手探りな部分は入る。状況を自分で判断しながら。この球場なので。本塁打が出やすい。今年は粘り強く。年間通してなので、しっかりとね。

 新たな人工芝は厄介な存在になりそうだ。この日は藤浪がフィールディング時に足を滑らせた。中西投手コーチも「大股で行くと滑る。細かく入っていかないと。(ライン際の打球処理も)早めに判断しないと。中に中に入る」と指摘。入念にデータを集め、本番に臨む。能見が注意する点はもう1つある。「2、3年前から風が強い。レフトに吹いていてもライトに伸びる…。去年は意識して投げたけど、完全に頭を越された」。上空を吹く風も、警戒すべきポイントだろう。

 昨季ヤクルト戦は3勝で防御率2・75だった。神宮では防御率2・93と苦にしない。昨年は開幕巨人戦で10失点KOと辛酸をなめたがシーズン初登板で勝てば、11年以来、4年ぶりだ。チームは開幕3連勝。「いい形だね。負けてないから。(今季初登板に)緊張します。毎年なんですけど」と言う。オープン戦も順調に調整した左腕が武者震いしてマウンドに立つ。【酒井俊作】