17年ドラフトは大砲指名で決定!? 阪神が「和製ベーブ・ルース」の異名を取る早実・清宮幸太郎内野手(1年)をリストアップ候補として注目していることが13日、分かった。リトルリーグ時代に通算132本塁打を量産した逸材で、9日の高校デビュー戦で決勝打。担当スカウトが試合を視察することになった。2年後のドラフト対象だが、夢はでっかく広がる。

 阪神が早くもスケールの大きなターゲットを見つけた。リトルリーグ世界選手権で活躍し、米メディアから「和製ベーブ・ルース」と称された高校1年生スラッガーの清宮だ。早実に入学したばかりだが、9日の高校デビュー戦で、いきなり決勝打を放った。

 父はラグビー、ヤマハ発動機監督の清宮克幸氏(47)。アスリートの血筋らしく、丸太のような下半身を生かして、高校生離れしたパワーを発揮する。9日は西武、オリックス、楽天、ヤクルトのスカウトが視察。12日の早大学院戦も中日の編成スタッフが駆けつけたほどだ。

 阪神にとっても、左打ちの長距離打者は喉から手が出るほど欲しい。ドラフト会議での指名は2年後まで待たねばならず、ちょっと気の早い話だが、球団首脳は「あれだけの素材なんだからリストに入ってくるだろう」と話した。本格的な視察は来年秋以降となるがリストアップ候補として、いち早く調査に入る。18日の春季東京大会・関東第一戦で担当スカウトが生チェックすることが判明した。怪物の成長ぶりを把握していれば、2年後のドラフトで的確な評価を下せる利点もあるだろう。

 順調に成長すれば、ドラフトでの競合は必至だが、一方で阪神との縁もある。父克幸氏が大阪出身とあって、清宮も阪神ファンだという。13年12月には掛布DCが中学生の清宮を視察。シート打撃の160メートル弾を見せつけられると「清原や松井クラスじゃない? こういう打者が生え抜きで阪神を引っ張ってくれたら理想」と絶賛した。パワー、そして柔らかさ…。ミスタータイガースはポテンシャルの高さをこう表現する。

 掛布DC とにかく規格外。何もかもが違うな。スケールが違う。相撲で言ったら白鵬。柔らかい中に強さがある感じ。楽しみな選手だよ。中学レベルで敵なしでも、高校は少し違う。でも、甲子園に出たら松井、清原のような活躍はできる。そういう(リストアップされる)選手ではある。

 虎と赤い糸で結ばれているかは神のみぞ知るが、いまは規格外なスラッガーに熱視線を送る。

 ◆清宮幸太郎(きよみや・こうたろう)1999年(平11)5月25日、東京都生まれ。小学4年から本格的に野球を始め、東京北砂リトルに所属。調布シニアでは一塁手。1300グラムの木製バットで日々ティー打撃する。家族は両親と弟。184センチ、97キロ。右投げ左打ち。

<清宮Jr怪物伝説>

 ◆世界最長弾 早実中1年だった12年の夏、東京北砂リトルの主砲として米ペンシルベニア州で開催されたリトルリーグ世界選手権に出場。パナマ戦で、右翼席中段へ推定310フィート(約94メートル)の本塁打。66回目と歴史のある同大会史上最長のアーチは、米メディアに「モンスター・ホームラン」と形容された。この大会、5試合で打率6割6分7厘、3本塁打と大暴れしチームの世界一に貢献。

 ◆投げても怪物 リトルの世界大会ではエースとしても活躍。この年代では飛び抜けている80マイル(129キロ)の速球も話題に。米メディアで「投本間が短いリトルリーグ。体感では104マイル(167キロ)に相当する。ジャパニーズ・ベーブ・ルースだ」と紹介。

 ◆ボールが変形 調布シニアの安羅岡一樹監督(52)は「打つと硬式球が変形していたことがある」と証言。