またまた助っ人が受難です…。阪神マウロ・ゴメス内野手(30)が24日、発熱のため甲子園で行われた練習に参加しなかった。37度後半の熱があり、病院で受診。体調次第では今日25日の広島戦(マツダスタジアム)に欠場する可能性も出てきた。6試合連続打点を挙げており、離脱すればダメージは大きすぎる。打撃不振のマートンや22日DeNA戦で大荒れだったメッセンジャーに続き、どうも外国人勢がスッキリしない。

 一難去っていないのに、また一難だ。晴れた甲子園で行われた全体練習は、いつもの光景ではなかった。何かがおかしい…。ゴメスがいない…。打撃練習前のケージ裏で、和田監督のもとに杉本チーフトレーナーが歩み寄って何やら説明。結局、練習が終わるまで4番は現れなかった。

 クラブハウスに引き揚げる指揮官は神妙な表情で言う。「発熱で病院に行ったよ。いまは落ち着いているということだけ。38度まではいっていないけど、38度近い」。発熱したのは、この日の朝だという。ゴメスは甲子園のクラブハウスを訪れたが不調を訴えて練習を回避し、病院へ直行。インフルエンザではなかったのが不幸中の幸い。上り調子の主砲が思わぬアクシデントでつまずいた。

 今日25日の広島戦出場は不透明な状況。和田監督は「めちゃくちゃ無理はさせないけど。いま、うんぬん言えない。出られる体調であるか、明日の朝、判断する。4番バッターやからな」と説明。あくまで今日25日朝の状態をチェックしてプレーの可否を決める。発熱すれば関節が緩み、筋肉の質も変わるといわれており、無理はさせられない。ゴメスは22日DeNA戦まで6試合連続打点をマーク。打率も3割1分7厘と好調に転じた。ようやく、昨季打点王の本領を発揮し始めた直後だった。

 チームは借金4を背負って5位に沈む。リーグ最低のチーム打率2割3分2厘に象徴される低調な打線が大きな要因だ。ゴメスが欠場となれば得点力は激減。経験豊富な福留を代役4番に立てるなど、策を講じる必要も出てくる。関川打撃コーチも「明日にならないと分からない。(代役も)いるメンバーが頑張ってくれる」と話す。主砲はこの日夜に広島入り。移動の新幹線に乗り込む際にせき込むシーンもあったが、軽症での早期復帰を願うばかりだ。

 昨季、日本シリーズ進出の原動力だった助っ人のドタバタが、ここにきて噴出。マートンは最近5試合で18打数1安打と振るわない。外角球へのジャッジ不信が打撃不振を招き、打席で無気力に映る。状態が改善されない場合のスタメン落ちすら、和田監督は示唆した。メッセンジャーも22日に打席で打つ気をまったく見せずに見逃し三振するなど闘争心を感じさせなかった。ともにナインの士気に関わるもので、チーム内で問題視されている。好調ゴメスも引きずられるように、体調不良を招いてしまった。いつになれば虎の強さ、しぶとさを取り戻すのか。外国人頼みの戦力編成が、微妙な影を落としている。【酒井俊作】