阪神和田豊監督(52)が27日、ゴールデンウイークの巻き返しに向け、マット・マートン外野手(33)に打線けん引指令を出した。26日広島戦で今季初猛打賞をマークした。一時はスタメンはく奪も示唆した助っ人を当面6番に定め、新5番で好調な福留とのコンビで攻撃力をアップ。5月10日までの11試合中、9試合を甲子園で戦う黄金週間で借金を返済する青写真だ。

 無人の観客席にマートンが何度も快音を響かせた。甲子園での全体練習。力強いフリー打撃を見守った虎の将が何度もうなずいた。

 和田監督 昨日の打撃が本来のものだろうから、それを続けていくことで戻ってくるだろう。実績がある選手なんで、1つのきっかけでよくなる。昨日のは兆しになるんじゃないかな。

 23打席無安打など長らく不振にあえいだが、26日の広島戦で今季初猛打賞。底は脱したと指揮官は確信していた。借金4からの巻き返しに昨季首位打者の復調は欠かせない。前日は6回の先制打が1イニング6得点を導いたように、逆襲けん引指令を出した。

 和田監督 マートンが打てば昨日みたいなビッグイニングになるわけだから。

 今日28日、ヤクルト3連戦から本格化するゴールデンウイークの戦い。テーマはチーム打率リーグ最下位ながら、両外国人が目覚めた新打線で打ち勝っていくことだ。マートンも「ヤクルトは去年の防御率4点台が今年は1点台。すごく投手力のいいチームだ」と、首位で防御率も1位のツバメ軍団に気合十分。好調の新5番福留の後を打つポイントゲッターの6番として、勝利を導く意気込みだ。

 5月10日、日曜日の広島戦までを黄金週間とすれば、4カード中3カード、11試合中9試合が甲子園。今季の聖地は2勝6敗で負け越し分がそのまま借金になっている。指揮官も熱く、返済を約束した。

 和田監督 あれだけのファンの皆さんが味方してくれるわけだからね。アドバンテージを生かさないといけない。甲子園で負け越すようなことがあってはいけない。

 自分たちの庭で勝ってこそ本当の黄金週間。まずはマートンの成瀬撃ちで弾みをつけたい。【松井清員】