ドミニカントリオ「3D」再結成で竜が息を吹き返した。右肘痛で2軍調整していた中日エクトル・ルナ内野手(35)が4番一塁で復帰。4回には4番ルナ、5番リカルド・ナニータ外野手(33)、6番アンダーソン・エルナンデス内野手(32)が機能し、防御率1点台の巨人菅野から2点を奪い取った。助っ人3人衆の活躍で眠っていた打線が再点火。チームはビジター6試合ぶり勝利で、連敗を「4」でストップした。

 まるでラテンのリズムのような軽やかな攻撃だった。4回だ。無死二塁から4番ルナが粘って四球を選ぶと、続く5番ナニータが菅野の初球を狙い打ち。左越え二塁打で1点を先取した。なお、無死二、三塁の好機で6番エルナンデスが仕掛ける。自らの判断で初球をセーフティースクイズ。一塁方向にボールが転がり、三塁からルナが突入。あっという間に2点目が入った。

 ナニータ とにかく積極的にいったよ。先制のチャンスだったからね。

 エルナンデス 内野が後ろにいるのは分かっていた。しっかりバントをすればチャンスがあると思った。思い通りに転がったよ。

 リーダー役であるルナの復帰戦だ。ドミニカンが盛り上がらないはずはない。最後に決めたのは主役のルナだった。5回、3-0としてなお2死二塁。直球を右前に落として、自身の復帰を祝うタイムリーを放った。これで3人全員に打点が付いた。

 ルナ 何としてもランナーをかえそうと思って打席に入った。点差を広げられて良かったよ。いつもそうだけど、今日は特にみんな必死になってやっていた。

 背番号0が打線の真ん中に座れば、まるで違う打線に生まれ変わる。ルナが右肘痛で2軍落ちしてからの9試合。1試合平均はわずか1・9得点だった。活発だった打線が元気をなくし、ビジター2勝11敗の現実もチームの雰囲気を重くする悪循環。それがルナが戻れば、10安打5得点と一気に流れが生まれる。

 誰よりも主砲の復帰を喜んでいるのは谷繁兼任監督だろう。「真ん中が落ち着くと周りも良くなる。やっと打線的に動き始めた」と安堵(あんど)の表情。仲良く3人で打点を挙げたドミニカンについて「3人そろって元気が出るんじゃない」と笑った。ルナは「体調は万全だよ。もう問題ない」。借金危機を乗り越えて再び貯金1。主砲が戻った竜が、ここからまた上昇する。【桝井聡】