巨人金城龍彦外野手(38)が、阪神先発の能見に強烈なカウンターパンチを見舞った。同点の6回2死一、三塁、高木勇の代打で登場。三塁線を鋭く突破する、勝ち越し2点適時打を放ち相手をKO。ルーキーに5勝目をプレゼントした。「緊迫した場面で使ってもらって、気迫と執念で打ちました」と納得の一撃を振り返った。

 狙って仕留めた。初球。141キロ、内角高めの直球を見送った。能見の高速ジャブを洞察した。「初球を見て球が速かったので、直球に対応しないといけないと思った」。たたみかけてくる能見の心理を読み、2球目も同じジャブを待っていた。初球より低めだったが狙い通り。前がかりのサウスポーに合わせて、コンパクトに打ち抜いた。

 原ジム会長の原監督は「嫌な場面で、勝負強いバッティングをしてくれた。長野の存在感が出てきているし、何か相乗的になってきた」と、技ありの決勝打を称賛した。出場24戦で3割8厘とチームに貢献。極限の集中と高度な技術が要求される場面で、ジム移籍1年目のベテランが大きな仕事をやってのけた。【細江純平】