巨人が屈辱的大敗で首位から陥落した。先発杉内俊哉投手(34)が、プロ入り最短の2/3回6失点でKOされるなど、球団史上初となる初回10失点。開始早々に試合を決められた。インフィールドフライが悪夢の引き金になった、前日4日に喫したサヨナラ負けのモヤモヤを断ち切れず、2連敗。DeNAに首位の座を明け渡した。

 開始から45分で、試合の大勢が決してしまった。巨人は初回、先発杉内がプロ入り最短の2/3回でKOされた。急きょマウンドに上がった笠原も打ち込まれ、3つのアウトを取って長い攻撃を終えるまで、10失点を喫した。初回の2ケタ失点は、球団史上初の屈辱。原監督は「5月5日という今日の日。先発がすべてだったということでしょう。仕方がありませんね。非常に残念だし申し訳ないというゲームですね」と言うしかなかった。

 前夜の嫌な流れを、引きずってしまっていたのかもしれない。4日はインフィールドフライの宣告が聞こえずに打球処理を誤り、後味の悪いサヨナラ負けを喫していた。

 幸運の勝利の勢いそのままで来た広島打線を、5月は31勝11敗の「ミスター・メイ」杉内でも止められなかった。立ち上がりは得意な方ではない。球が高めに浮き、スライダーの曲がりも小さく、ことごとくはじき返された。「申し訳ない。それしかありません」と言うのが精いっぱい。斎藤投手コーチは「どうしたんだろうね」と首をひねり、川相ヘッドは「昨日の流れを断ち切れなかった」と悔いた。

 3回までに13失点。一方的な展開の中でも、先を見据えた一手は打った。途中から新外国人フランシスコを三塁に配し、実戦での動きを確認した。原監督は「いろんな状況の中で、今日はサードを守らせるのがベストだろうということで使った」と説明。不振でベンチスタートが続く長野には途中出場から打席機会を与え、復調の兆しをつかませた。同一カード3連敗阻止へ、やり返したいかと聞かれると「いつでもそういう状態ですよ」とトーンを高めた。漂う嫌なムードは今日、一気に断つ。【浜本卓也】

 ▼巨人が初回に10失点。いきなり初回に10失点以上は、03年7月27日オリックスがダイエー戦で11失点して以来、12年ぶり。巨人の1イニング2ケタ失点は03年9月16日中日戦の6回に12失点して以来9度目だが、初回に記録したのは球団史上初。先発杉内は2/3回で6失点。ダイエー時代の04年6月1日ロッテ戦の2回(7失点)を抜く先発での最短降板。巨人の先発が1回を持たずに降板は12年8月1日ゴンザレス以来だが、この時は右足負傷によるもの。ケガや危険球以外で1回を持たずにKOの巨人先発は01年9月27日入来以来。