18歳の超新星の輝きが、まぶしかった。日本ハムのドラフト3位、浅間大基外野手が、完敗した楽天9回戦で孤軍奮闘した。2試合連続で「2番中堅」でフル出場。3回に二盗を決め、高卒新人では16年ぶり2人目の初出場から2試合連続盗塁を記録。5回は適時二塁打を放って初打点と躍動した。チームは5カードぶりの負け越しで4月3日以来の首位陥落も、強心臓のルーキーが希望の光となった。

 勝利を喜ぶ楽天ナインを、目に焼き付けた。試合終了の瞬間、ベンチで座っていた浅間の視線は真っすぐ、グラウンドを見つめていた。前日5日に陽岱鋼の故障離脱を機に巡ってきた1軍の舞台。「自分のことで精いっぱいでした」。勝利に貢献した前夜のデビュー戦に、悔しい敗戦を味わったプロ2戦目。がむしゃらに駆け抜けた2日間は、あっという間だった。

 負の流れに、必死に抵抗した。先発中村が2回途中4失点でKO。打線も楽天投手陣を打ちあぐねた。序盤から劣勢の展開でも新風は吹き荒れた。初回は右前打を放ち、5回は初長打となる右翼線への適時二塁打で初打点、初マルチ安打もマークした。「チャンスをもらっている。どんどん積極的にいって、結果が出なかったらしょうがないと思ってプレーしています」。18歳のひたむきさが、完敗の試合で一服の清涼剤だった。

 快挙も決めた。3回、二盗に成功。高卒新人がデビュー戦から2試合連続盗塁は99年の西武赤田以来、16年ぶり2人目も「数を重ねたら警戒もされる。その中で決めないと自信にならない」と、冷静に先を見据える。打撃は2試合連続安打をマーク。栗山監督も「初めて見るピッチャーにタイミング良く(バットを)振ることができている。ちょっと違ったモノを持っているよね」と、あらためて潜在能力の高さを実感した。

 暗い話題もすべて吹き飛ばす勢いだ。この日の敗戦で4月4日から守ってきた首位から転落した。5カードぶりの負け越しも喫した。一方で、黄金週間の最後に魅力いっぱいの新戦力の登場は明るい材料だ。「最初だけと言われないように、結果を出し続けていけるように頑張ります」。覇権奪回を目指すチームの中で、インパクト十分の光を放ち続ける。【木下大輔】