振ればヒットかホームラン! ロッテ清田育宏外野手(29)が、7試合連続マルチとなる4安打でチームの連敗を3で止めた。1回には自身初となる5号先頭打者アーチ。3回には、ロッテとなってからは有藤の8試合連続複数安打に王手をかける右前打。6回にも6号ソロを放つと7回には左前打でチャンスを満塁に広げ、代打デスパイネの決勝走者一掃二塁打を呼んだ。主砲の不振を埋める打棒が止まらない。

 ロッテの1番は清田で不動だ。試合後、伊東勤監督(52)が「動かせないね、1番がいい」と言ったところに清田が通り掛かった。「キヨ、1番がいいだろ?」と問い掛けた。

 清田は間髪入れず「いいですね!」と答えて破顔した。1発あり、つなぎあり。状況に応じた打撃ができている。1回は先頭アーチで3連敗中のチームに勢いをつけた。同点に追いつかれた7回は1死一、二塁からしぶとく三遊間を破り満塁機を作った。

 秘密は2種類の打法にある。ふだんは左足を上げて打つが、追い込まれるとスタンスを広げノーステップにする。速い球にも変化球にも対応するためだ。しかし、19日の最終打席が悔しかった。2-3で迎えた9回2死走者なし。1-2と追い込まれたが、足を上げてホームランを狙った。「打ちたかった。悔しい」と最後の打者での敗戦を悔いた。

 その思いが6回の3打席目に結実する。フルカウントとなってからはノーステップで粘る。4球ファウルした後、内角速球を左翼ポール際へ6号ソロだ。「今は強い打球を打つことを考えています」と、自分のスイングに徹している。

 好不調の波が大きかった。2軍との行き来もたびたび。今は結果を割り切ることができるようなり、安定感が増した。ここ7試合は33打数21安打の6割3分6厘。規定打席に達していないが、3割7分1厘は隠れ首位打者だ。イチローの連続マルチ安打試合は8。世界の安打製造機にもあと1試合で並ぶ。【矢後洋一】

 ▼清田が2本塁打を含む4安打。これで7試合連続マルチ(複数)安打。2リーグ制後、マルチ安打の最多連続試合は52年後藤(阪神)54年ルイス(毎日)01年小笠原(日本ハム)の10試合。ロッテではルイスに次ぎ62年山内が9試合、77年有藤が8試合連続を記録。清田の先頭打者本塁打は初。1試合2発は14年4月6日日本ハム戦に次いで2度目。