巨人橋本到外野手(25)が、強肩でゲーム終盤の流れを引っ張り込んだ。7回の守備から右翼に入った。右翼席に飛び込む中日エルナンデスの本塁打を見届けた直後だった。定位置にいた状況で、谷繁のライナーが飛んできた。「走りながら捕球して、いいチャージをかけることができた」。迷わずファーストへ送球した。アンダーソンのミットにぴたりと収まった。ライトゴロは「イメージはしていませんでした」。大きな仕事はまだ残っていた。

 9回裏1死。右翼線の3メートル内側を襲うエルナンデスの当たりを最短距離で追いかけた。「少しセンター寄りに守っていたが、フェンスにクッションする前に捕球できて、勝負ができた」。またもや二塁へストライク送球でエルナンデスをアウトとし、チームは逃げ切りに成功した。

 起用が的中した原監督は「チームを助け、勢いをつけてくれた」と、総括の中で最も高いトーンで絶賛した。打撃の調子をやや落としベンチスタートが続くが、チーム屈指の鉄砲肩はさびついてなどいない。試合前の入念な準備と併せて、広いナゴヤドームで証明してみせた。