ご飯は“モリモリ”と“おかわり”しても、試合ではさせません。巨人阿部慎之助内野手(36)が25日、福島・郡山市内のJA農産物直売所「愛情館」を訪問し、約200人に豚汁を振る舞った。福島県産のお米、野菜、お肉を「最高で~す」と頬張りながら、西武中村の「おかわり弾」、森の「モリモリ(固め打ち)」を封じると宣言。慎之助節全開で、「日本生命セ・パ交流戦」初戦となる今日26日の西武戦(郡山)に挑む。

 新鮮食材が、巨人阿部の舌を滑らかにさせた。交流戦初戦の西武戦への意気込みを聞かれ、ニヤッと笑った。

 阿部 今日、お肉もご飯もモリモリ食べた。モリモリ食べる森君にはモリモリ打たれないように。おかわりしたくなるおかわり君(中村)には、おかわりされないように。

 周囲の空気を察してか、「あれ? 外したか」と豪快に笑ったが、この日訪問したJA農産物直売所のスタッフや地元の生産者、ファンらを笑顔にさせた。

 サービス精神から“慎之助節”が口をついたが、2人を封じることが勝敗のポイントになることは間違いない。強打の捕手と期待される森を「すごいなと思うし、打てる捕手」と認めた上で「境遇は俺と似てるね」と笑顔で話した。主砲の中村とともに、乗せると危険な相手。「細心の注意を払って、やっていかないと」と警戒した。

 イベントでも盛り上げた。「お昼を抜いてきたんで」と大きなおにぎりにかぶりつき、長串に刺さった肉を豪快にガブリ。決めフレーズ「最高で~す」と“モリモリ”と“おかわり”した。「新鮮だし、すごくおいしいです」と頬張り、集まった約200人に豚汁を振る舞った。

 震災復興への思いが、言葉と行動に表れた。「月日はたっても、まだ苦しんでおられる方がいる。復興という言葉は永遠のテーマ。少しでも協力できることがあればやっていきたいです」と訴えた。この日「阿部さ~ん」と呼び掛けた人の顔はみな笑顔だった。「今、何ができるか…。僕ができることは野球で勝って、喜んでもらうこと」。今日もまた、スタンドに笑顔を届ける。【久保賢吾】