オリックスは2日、森脇浩司監督(54)が成績不振を理由に休養すると発表した。「日本生命セ・パ交流戦」巨人1回戦(東京ドーム)を前に都内で会見。同監督が休養を申し出て、球団側が承諾したという。

 これは事実上の解任といえるだろう。東京に移動した前日1日。森脇監督は新神戸駅で「真正面から受けて立つしかない。命までは取られないよ」とファイティングポーズを崩していなかった。それが一夜明けて休養会見。あまりに不可解に映った。突然の「Xデー」だったかといえばそうではない。関係者の証言を総合すると、水面下での経緯が浮かび上がってくる。

 大きな問題は、球団フロントでも考えが一本化されていなかったことだ。開幕から続く低迷にも、球団の将来を見据えて森脇監督の続投を主張する擁護派と、宮内オーナーに憂慮を進言する反体制派に二分され、綱引きが激しかったようだ。現状を打開しようと練られたプランが、オーナーの元にまで届かなかったこともあったとみられる。

 その結果、森脇監督が自ら責任を取る幕引きとなった。もちろん、勝負の世界で成績を残せなかった事実は重い。結局、指揮官の首のすげ替えという形になったわけだが、これで事態が好転するかといえば難しいと言わざるを得ない。

 オリックスは00年以降、石毛監督、岡田監督らがシーズン中に監督交代。それがプラスに働いた例は少なかった。昨季は森脇監督を中心に2位になり、長いスパンをかけてチームが前進しようとしていた。そこで「負の歴史」が繰り返されたことは、残念でならない。【オリックス担当=大池和幸】