阪神は新外国人選手として獲得を目指していたBCリーグ・石川のネルソン・ペレス外野手(27=ドミニカ)と契約合意したことを17日、発表した。単年契約で推定年俸1000万円とみられる。長打力と確実性を兼ね備えた助っ人と評判。球団は将来的な戦力として位置づけているが、昨季首位打者のマートンが不振にあえぐ今、打線の起爆剤としての働きも期待されている。

 セ・リーグ再開直前、猛虎に新助っ人が加わることになった。球団はこの日、獲得へ向かっていたペレスと契約合意に至ったことを発表した。本人も球団を通じてBCリーグ石川への感謝と新天地への意欲に満ちたコメントを出した。

 「石川ミリオンスターズに呼んでいただき、日本に来てプレーできるチャンスを与えていただき、大変うれしく、また感謝しています。ありがとうございました。そして、阪神タイガースがチャンスを与えてくださり、大変うれしいです。全力を尽くして日本一の阪神ファンの前でタイガースの優勝に貢献したいと思います」

 早くも優勝に貢献したいと意欲満々のペレスだが、球団は将来的な戦力として位置づけている。ただ、実際にBCリーグでのプレーを視察した球団関係者の評価は高い。ある幹部は「確実性も長打力もある。それに肩が強いから守備もいい。(NPBのレベルに)対応できれば、マートンの代わりになる可能性もあると思う」と話した。ぺレスはマイナー通算8シーズンで82本塁打を放った左打ちの長距離砲。今季から石川でプレーし、30試合でリーグトップの7本塁打。打率も3割2分4厘と好成績を収めている。

 関係者によれば、最初は2軍に合流することが濃厚で、明日19日に入団会見を行い、20日には2軍に合流しウエスタン・リーグ広島戦でデビューする可能性もあるという。まずは2軍戦に出場しながら、不振から抜け出せないマートンに変化が見られなければ、起爆剤として1軍昇格という可能性もありそうだ。

 チームは現在、首位と2ゲーム差の3位につけている。チームの打率2割2分9厘、194得点、29本塁打はいずれも12球団ワースト。打線が苦しむ中、投手陣の奮闘で何とか上位に食らいついている。外国人選手の不調に象徴される貧打が解消されれば、一気に首位に躍り出る可能性は高い。マートンの刺激剤として、湿りがちな猛虎打線の起爆剤として、ペレスへの期待は高い。

 ◆ネルソン・ペレス 1987年11月16日、ドミニカ共和国生まれ。07年から米大リーグ、カブス傘下のマイナーなどでプレー。メキシカン・リーグ(3Aに該当)では13、14年に在籍し18本塁打。マイナー通算8シーズンで82本塁打。今季からBCリーグ・石川入り。30試合に出場し111打数36安打、打率3割2分4厘。7本塁打、24打点。191センチ、98キロ。右投げ左打ち。