「楽天デー」に屈辱の7連敗を喫した。楽天が東京ドームでの主催試合で日本ハムに競り負け、連敗が今季ワーストに伸びた。先発辛島が満塁弾を含む5失点。流れを引き戻そうと、勝ちパターンの継投で9回には守護神松井裕樹投手(19)を投入。松井稼頭央外野手(39)の2ランが飛び出し、1点差まで詰め寄ったが及ばなかった。三木谷浩史オーナー(50)を始め、本社社員らが多数来場したが期待に応えられず、大久保博元監督(48)は自らを責めるしかなかった。

 悪い流れの証拠なのだろうか…。楽天は3点を追う9回裏1死一塁。代打松井稼が2ランを放って1点差まで詰め寄った。だが、あとが続かなかった。サンチェス、中川と1発を期待できる打者も凡退に倒れて試合終了。これで昨年10月7日以来の7連敗。大久保監督は「勝たないと意味がない」と自らの采配を責めた。

 何としても勝ちたい試合だった。この日は年に1度の「楽天グループデー」。東京ドームに楽天社員が集まり、応援する。三木谷オーナーら、本社幹部も訪れた。9回、楽天ベンチが送り出したのは守護神松井裕だった。岡を死球で出塁させるも、1死をとった後は2者連続三振。ストンと落ちるチェンジアップで空振りに仕留めると観客のボルテージが上がった。大久保監督は「今日は楽天デー。本社、スポンサーの前で登板して喜んでもらえるように」と守護神投入を説明。必死に流れを引き寄せた。

 勝ちパターンの継投は攻撃の芽を摘み、反撃に転じるための策だった。福山、青山、クルーズ、そして松井裕。高村投手コーチはこう説明する。「今は何をやっても悪い流れになる。そこで勝ちパターンの継投、松井裕を出すことで、何か変わる。三振で終えれば、攻撃のリズムを作ることもできる」。この日も0を並べ、2イニングは3者凡退で終えた。

 三木谷オーナーは「(大久保監督は)良くやっている。けが人が多い中でね。こういう時こそ一致団結してやって欲しい」とエールを送った。大久保監督は「大木が育つには時間がかかるよ」と淡々と言った。連敗脱出へ、皆がもがいている。【島根純】