西武にとって最後の望みとなる走者が、二塁手前でアウトになった。1点を追う9回無死、一塁走者の浅村が走った。打者の斉藤がバントを空振りしてアシスト。しかし、盗塁は失敗した。サファテのモーションが大きかったら行けというサイン。田辺徳雄監督(49)は「クイックモーションで、やめて欲しかったが、そのまま行ってしまった」と、指示を徹底できなかったことを悔やんだ。

 あと1本が出なかった。得点圏に走者を置いても打線がつながらず11連敗を喫した。球団創設初年度の79年に開幕から12連敗して以来。前身の西鉄時代の71年を含めても3度目のことだ。ただ、過去の2回は両方とも2つの引き分けを挟んでいる。敗戦が11試合続くのは球団史上初。かつてない苦境に立たされているといえる。

 田辺監督は「あと一息。ガクッと来る負け方ではない。若い力も出てきている。いい材料を見て、上を向いていきます」と気持ちを切り替えた。連敗ストップの重責をルーキーの高橋光に課すことになってしまったが「厳しい状況だけど、アピールしてくれることを期待します」と背中を押した。【竹内智信】

 ▼西武は15日楽天戦から11連敗。西武の11連敗以上は西鉄時代の71年11連敗、西武での79年12連敗に次いで36年ぶり3度目。球団ワーストにあと1となった。過去に広島が68年に12連敗、76年に11連敗を喫してから3位で終えた例はあるが、パ・リーグで11連敗以上を記録してから3位以上の例はなく、CS圏内へ巻き返せるか。