関東第一(東東京)のオコエ瑠偉外野手(3年)が、楽天から1位指名を受けた。

 楽天梨田昌孝新監督(62)は、オコエの交渉権獲得に「相当期待したい。いい“お声”をかけたい」と、得意のジョークで喜びを表した。即戦力として期待する。走塁、守備は既にプロで通用すると断言。「(日本ハム時代に)糸井、陽とセンターを見ているけど、勝るとも劣らない魅力を持っている」と一流選手に例えて能力の高さを表した。

 チームの中心に据える。打撃面以外では今の1軍選手と遜色ないと言い切った。「1年目から中堅、ベテランに見せつけて、俺たちもやらなきゃと思わせる起爆剤になって欲しい」と中堅手として1年目から1軍のレギュラーを任せる可能性もある。楽天のドラフト1位での野手獲得は球団史上初。星野副会長も「問題があるのはバッティングだけだろ。守備はウチで1、2番だよ」とほれこんだ。

 今ドラフトのテーマは、センターラインの強化だった。2位の大商大・吉持は50メートル5秒6のスピードスター。オコエ以上の快足の持ち主で、梨田監督も「足の速さにびっくりすると思う」と自信を見せた。課題だった捕手強化は4位の静岡・堀内、6位のパナソニック・足立と2人の指名に成功。東北出身選手の指名はなかったが、長島スカウト部長は「センターラインの強化というところから始めて、ブレずにできた。東北出身の良い投手もとりたかったけど、吉持は2位じゃないと取れなかった。堀内、足立は日本代表を経験しているし、良い捕手をとれた。及第点のドラフト」と振り返った。

 1位指名を公言していた仙台育英・平沢はロッテとのくじ引きで敗れたが、梨田監督は「平沢君とは縁がなかった。その代わりにオコエ君との縁ができた。(くじを引いた立花)社長は1年で気持ちを切り替えて来年また準備してほしい」と笑顔。今日23日には関東第一へ自ら出向き、ラブコールを送る。梨田楽天は堅守速攻のチームになりそうだ。【島根純】