右肩の不安から完全復活を目指す中日浅尾拓也投手(31)が、原点回帰の腹を決めた。最速157キロを誇ったかつての速球はないが、それでもスピードにこだわることにした。

 「スピードを求めることによってキレもよくなるし、腕の振りも速くなる。その意味ではこだわった方がいい。捨てます、だと高みを目指せなくなる。何キロ出したいとかは決めずに、1つずつ上げていきたい」。15年シーズンの最速は147キロ。だが、登板によって波があり、平均は140キロ前半ほど。その球速なりで抑える方法を詰めてきたが「制球(重視)に走ることで、悪くなったこともあった」と反省する。

 シーズン中盤以降、2軍でコーチと積極的に対話。原点を見直し、直球でファウルや凡打を取れるようになった。「自分のスタイルに気付いた。スピードが戻ってきた感覚がある。まだ上がると思っている」と力強く16年シーズンを見据えた。