強竜復活のキーワードは一貫性! 野球評論家の権藤博氏(77)が29日、3年連続Bクラスからの巻き返しを図る中日に、腰を据えてレギュラーを固定することを提案した。戦力はある程度そろっていると指摘し、谷繁元信監督(45)に先を見据えた一貫性を求めた。 振り返ると今年は本当に惜しいシーズンだった。特にセ・リーグはどこが優勝してもおかしくない状況で、ましてやAクラスは全チームにチャンスがあった。中日は投手陣も打線もこれだけのメンバーがいたにも関わらずAクラス入りを逃し、何とか最下位をまぬがれる5位に終わった。

 一言でいえば、一貫性のなさがこの結果を導いたと思っている。象徴的なのが、福田や高橋周の使い方だった。開幕直後、森野が手を骨折して巡ってきた大チャンス。谷繁監督が思い切って2人を先発で使い、2人ともそこそこ打っていた。でも、投手の右左によって使ったり使わなかったりした。どっちつかずになって結局は2軍に落としてしまった。

 投手陣も同じだった。必勝リレーを又吉、福谷の2人でスタートしたが、打ち込まれるとみるや人選をどんどん変えて、終盤は田島を抑えにもってきた。田島は抑えタイプではない。あやうく、つぶれてしまうところだよ。

 捕手も谷繁が引退して、難しくなるだろう。野手ではほかにルナが抜け、和田、小笠原もいない。これで荒木も使わないのなら、強かった当時のメンバーはほとんどいない。強いチームにしようと思ったら3年、5年かかるよ。投手の戦力はあるだけにもったいないけど、それは仕方ない。

 監督、コーチの仕事は教えることより誰を使うかの見きわめ。今、チーム内にどんな選手がいて、どんな能力かを分かっているはず。オフに外国人や新人がたくさん入ってくるけど、そこはやってみないと分からない。あっちにしようかこっちにしようかじゃダメだね。これでいくと決めたら、我慢しないと。それができなかったら来年も今年のような展開になるよ。