広島松田元オーナー(64)は前田健太投手(27)のメジャー移籍を受け、活躍に期待した。「これで本当の意味合いで前を向いていける。あのスライダーと制球があれば大丈夫。彼の持つ価値を十分出して、インセンティブを勝ち取ってほしい」とコメントした。

 15勝をマークし206回1/3を投げたエースの穴については「パターンが変わると思う。7、8、9回を投げる投手に勝ち星をつけないといけない。中継ぎに勝ちをつけるということは、優秀な中継ぎスタッフと、打線が打つということが必要になる」と構想を話した。中長期的には第2、第3のマエケン出現を願い、塹江、藤井らの名前を挙げた。外国人頼みの状況からの脱却にも力を注いでいくという。

 またドジャースから受け取ることになる2000万ドル(約24億円)の譲渡金の一部はキャンプ地宮崎・日南市と沖縄・沖縄市への寄付を検討しているほか、地元広島へ還元する方向で調整しているという。

 前田は13年オフに将来的なメジャー挑戦を公言。だがその前年の12年には、松田オーナーと鈴木清明球団本部長宛に直筆の手紙でメジャー挑戦の夢を伝えていたという。鈴木本部長は「彼の夢が実現した。我々もそういう選手を送り出すチームとして誇りに思う。楽しみが増えた」とエールを送った。