2年連続2桁勝利のカギはシンカーだ。中日は27日、北谷球場、読谷球場に分かれ沖縄合同自主トレを開始し、選手61人が参加した。北谷のブルペンで51球を投げ込んだ4年目若松駿太投手(20)は新球シンカーを披露。新たな変化球を導入し、白星へとつなげる。

 若松は沖縄1日目で、年明けから本格的に練習しだしたシンカーを解禁した。受けていた捕手の杉山からは「使える」と言われたという。若松自身は「まだまだコントロールしきれていない。シンカーをコントロールできるようになれば、投球の幅も増えてくる。カウントを整える球にしていきたい」と精度を高めていく。

 昨年はプロ初勝利から10勝まで勝利の山を築いた。しかし、投げていたシュートの曲がりが、なぜか微妙に変わり、実戦では危険と判断。「スライダーみたいに逆になった。シュートは消しました」。高校2年秋に右手中指の爪が剥がれてしまい、投げなくなっていたシンカーに手を付けた。「投げてみて怖さもなかった。高校の時のイメージで投げている」。かつて投げていた感覚を呼び起こしている。

 シュートと曲がる方向は同じでも、落ちる角度もある変化球。この日、何度も捕手の手前でワンバウンドした。ボールの動きは十分にあり、新たな武器になりそうだ。「右打者の内角に食い込む感じのボールにしたい。実戦の中で試していきたい」。竜の先発ローテーションの軸を担うであろう20歳右腕が、さらに進化する。【宮崎えり子】