阪神の新外国人マルコス・マテオ投手(31=パドレス)が、絶品のスライダーで新守護神に大きく前進した。サムスンとの練習試合に登板し、左3人を完全に抑えた。

 金本監督から出されていた課題だった。右打者を相手にした紅白戦の登板を見て、指揮官はスライダーを「一級品」と評価していた。左打者にはどうスライダーを使うのか。捕手の岡崎にスライダー配球の指示を出した。

 マテオがマウンドに上がった6回、相手打線は1番からで6番までが左打者。まずは先頭を縦の140キロスライダーで空振り三振。2人目は初球の145キロ直球で遊ゴロに。3番打者は横のスライダーで見逃し三振に封じ「スライダーをいい感じで投げることができた」と胸を張ってマウンドを下りた。左打者を相手にしても、スライダーが絶品であることを実証した。

 金本監督も目を細めた。「もともと対左打者の奪三振率の高さで取ろうと決めた投手。左打者からすれば右投手の(内角に)入ってくる球は打たれやすいというイメージがあるが、そんなことはない。オレ自身、右投手の内角に入ってくる球はいやだったよ。シンカーも投げると聞いたし、楽しみ」と、新守護神候補の投球にいっそうの手応えを得た。マテオ自身も「いいキャンプを送れている。みんながよくしてくれた」と2月を総括した。チームに溶け込み、投球で結果を出し、新守護神にまた近づいた。【堀まどか】