打ち上げたけど、終わらない! 阪神金本知憲監督(47)が若手に3月中旬まで「継続キャンプ」を課す考えを明かした。29日間の沖縄・宜野座キャンプを打ち上げ。若手の打棒が目を引いたが、満足はしていなかった。オープン戦後の甲子園などでキャンプ同様の特打や特守を命じる方針。看板のウエートトレーニングはシーズン中も継続することを明かした。

 「超変革」の手応えを問われた金本監督は、言葉を選びながらうなずいた。「野球に対する姿勢、雰囲気を変えていくと言ったけど、変わってきた感触はありますね」。29日間の宜野座キャンプを総括。ナインの成長に目を細めた。だが笑顔は一瞬。次なるムチを振るった。

 「レギュラー陣は開幕にベストに持っていってくれれば大丈夫。でも若手は最後の2週間までしっかり鍛えていく。キャンプの延長戦。気が緩まないメニューをやっていきます」

 チーム最多の4発を放った陽川をはじめ、横田、江越、ドラフト1位高山俊外野手(22=明大)らが進化を発揮した。でも満足してもらっては困る。そこで若手に課す命題が、関西に帰っての継続キャンプだ。

 「高山は期待以上で、横田はうれしい誤算でした。でも僕は期待と目指すところが大きい。まだまだ物足りないですから」

 3月序盤は甲子園でオープン戦が6戦あるが、試合後にキャンプ同様の特打や特守を課す。例年この時期の試合後は個人の志願練習が多かった。金本阪神は猛練習をメニューに組み込んで義務化する。掛布2軍監督とも連携し、2軍も同様の方式を組み込む計画。練習改革はまだある。

 「もちろんウエートもやらせるよ。これは慣れだから。俺なんて日本シリーズ中もやってたよ」

 キャンプの目玉メニューだったウエートトレーニングをシーズン中も継続。金本監督の現役時代さながら、総鉄人化計画と言えるかも知れない。「継続キャンプ」と位置づけた3月最初の2週間は、開幕1軍をかけた身内のサバイバルにもなる。

 「ピリッとした競争をやっている。誰が勝ち上がってくるのか。楽しみという意味では楽しみ」

 3月25日の開幕メンバーには、たくましさを増した男たちが並んでいるはず。シーズン中も鍛え続け、常勝軍団を作っていく。【松井清員】