勝負の開幕ローテーションが決定した。阪神ランディ・メッセンジャー投手(34)が沖縄・宜野座キャンプ最終日の2月29日に、金本監督から開幕投手を通達されたことが分かった。外国人投手ではスタンカ(南海)ミンチー(広島、ロッテ)に並んで最多3度目の大役となる。メッセンジャー開幕が決まったことで、藤浪らローテ当確組のシーズン初登板日も固まった。5人で開幕ローテを作ることも判明した。

 晴天に恵まれた沖縄・宜野座キャンプ最終日。メッセンジャーと藤浪の開幕投手争いに決着がついた。球団関係者の話を総合すれば、金本監督が練習中にメッセンジャーを呼び寄せ、開幕投手を任せる方針を直々に伝えた。来日7年目を迎える助っ人が、2年連続3度目の大役を務めることがその瞬間に決まった。

 開幕投手を志願する実績十分のメッセンジャーか、押しも押されもせぬエースに成長した4年目藤浪か。マッチレースはキャンプ終盤まで続いていた。前日2月28日の時点でメッセンジャーはオープン戦の4日ソフトバンク戦に登板することだけが伝えられていたが、この日、ついに大役を通達されて快諾した。

 キャンプ終了後は「開幕投手を務めることは1つの目標。自分がやるものだと思っている。そこを目指して調整していく」と通達された事実には触れなかったが、充実の表情で大阪に戻った。25日の中日戦(京セラドーム大阪)で金本阪神の初戦を託される。

 この日のメッセンジャー開幕投手決定を受けて、すでに開幕3戦目先発が決まっている藤川以外の開幕ローテ当確組も、シーズン初戦の登板日が固まった。藤浪は2カード目の初戦、29日ヤクルト戦(神宮)でスタートを切る。3、4月は週の前半にヤクルト3連戦、巨人3連戦がともに2度も組まれている。6連戦の初戦で長いイニングを投げ抜き、強力打線を封じ込めて中継ぎ陣の負担も減らす。エースとして誰よりも重要な役割を任される。

 この日の通達をもって開幕ローテが決定。メッセンジャー、能見、藤川、藤浪、岩田と流れ、開幕6戦目の31日ヤクルト戦はメッセンジャーが中5日で先発予定。まずは自慢の先発5人衆でロケットダッシュを狙うことも判明した。

 4月1日DeNA戦には中5日で能見が向かい、翌2日は岩崎、秋山、岩貞ら6番手候補の中から勝ち抜いた1人を起用する見込み。3日DeNA戦の藤川からは、基本は6人全員を中6日で回していく方針だ。キャンプ打ち上げ日に盤石の開幕ローテを固め、猛虎がシーズンに向けた本格準備に入る。

 ▼阪神の開幕投手が中5日以内でシーズン2試合目の登板となれば、14年能見の中5日(3月28日巨人戦、4月3日中日戦)以来2年ぶり。もっとも能見は開幕戦で4イニング2/3で10失点しKOされており、次回登板が早まったもの。ローテーション通りの中5日となれば、05年井川(4月1日ヤクルト戦、7日広島戦)以来チーム11年ぶりとなる。

 ▼メッセンジャーが3度目の開幕投手を務めれば、スタンカ(南海=61~63年)、ミンチー(広島=99年、ロッテ=02、03年)に並び外国人投手最多、3人目。2年連続はほかにブロス(ヤクルト=96、97年)があり、外国人では4人目となる。メッセンジャーは前々回の13年に勝利投手、前回15年は勝敗なし。外国人投手が開幕戦で2度目の先発勝利投手となれば、ブロスに続き2人目。