開幕スタメンマスクが見えてきた。2軍で調整中の巨人阿部慎之助捕手(36)が12日、ヤクルトとのイースタン・リーグ開幕戦で実戦復帰を果たした。「4番捕手」で出場。捕手としてのゲームは昨年6月6日のソフトバンク戦以来だったが、先発平良を好リード。「投げられるようにはなった。今日より明日。明日より明後日。体調を上げていくことを考えている」と、約9カ月ぶりだったが、ブランクを全く感じさせなかった。

 打撃の心配もなかった。5日の打撃練習で右肘に死球を受けたが問題なし。初回1死一、三塁、ヤクルト先発石川の内角シュートに反応し、先制中前適時打。勝負強さを発揮した。

 必死の努力が早期回復につながった。2月の沖縄キャンプ中に右肩の違和感を訴え、別メニュー調整を続けてきた。キャンプ中に高橋監督の勧めで、インナーマッスルを鍛えるPNFトレーニングを取り入れ、肉体を鍛え直した。1時間を超えるハードなメニュー。痛みに耐えながら鍛えることで、Tシャツの色も変わった。「痛みで脂汗がいっぱい出たよ。肩も全然違うね。良くなったよ」と想像以上の回復だった。

 開幕戦の出場プランはできている。今日13日もヤクルト2軍戦に出場し、問題なければ、14日の1軍練習に合流。16日のヤクルト戦でマスクをかぶる予定だ。「捕手として1年間やるのは大変だけど、チャレンジしたり、いろんなことを思い出しながらやっていきたい」。守備、打撃でチームを支える大黒柱。頼もしい扇の要が、1軍への復帰準備を整えた。【細江純平】