初白星、お先です! 楽天2軍が16日、ヤクルトとのイースタン・リーグ開幕戦(戸田)に8-6で勝利した。3点を追いかける7回1死満塁。公式戦初の4番に座った北川倫太郎外野手(22)の集中力は高まった。「ダメなら試合が決まってしまう場面。気持ちが入っていた」とカウント1-1から、外角へのスライダーを強烈にしばきあげた。打球はグンと伸びて、左翼手の頭上を越える。走者一掃の3点適時二塁打で勝利への道筋をつけた。

 声が届いていた。重圧のかかる打席で、自軍ベンチからの言葉にハッとなった。「こういうところを楽しめ!」。今季から就任した平石洋介2軍監督(35)の声援だった。不思議と気持ちが落ち着き、冷静にねらい球を振りぬくことができた。肉体改造の効果も現れた。今オフから大好きなポテトチップスを制限した。間食はコンビニで手軽に手に入る脂肪の少ない鶏肉に変更。高タンパク低カロリーの食事を心がけて筋肉量を増やしている。

 2軍では飛び抜けた数字を残している。10日まで行われた教育リーグでは22打数10安打で打率4割5分を超えた。「圧倒的にならないと、上でできない。1軍から声がかからないというのはまだ何かが足りないということ」とさらなる成長を目指す。平石2軍監督も「2軍ではレベルが違う。気持ちがぶれない。期待している」と1軍昇格への取り組みを評価している。

 若い力と若い指揮官が挙げた今季初勝利。25日の1軍の開幕戦に先駆け、幸先の良いスタートを切った。【島根純】