「初回の大谷」が、また先制点を生んだ。1回1死一塁。3戦連続初回に打点を挙げていた日本ハム大谷翔平投手(22)が、右前へ10試合連続安打となる一打を放った。一塁走者・西川はスタートを切っており、一気に一、三塁へ好機が拡大。直後の先制点へとつなげた。「今日は(その後の打席の)内容がよくなかった」と反省したが、この日は見事な“アシスト”だった。

 初回に失点するダメージの大きさは、身をもって知っている。どんなエース級投手でも難しいと言われる立ち上がり。「打者も入るのは難しいですよ」と前置きしながらも「ゲームが落ち着くまでは難しいかなと思う」。投手としての心境を知っているからこそ、最初の攻撃が重要であることは認識している。

 「内容がよくない」とは言ったが、二塁ゴロで出塁した3回は、田中賢の適時打で本塁に生還。野手出場が限られている中でも、得点はチームトップタイの中島、西川に1つ差の「55」。「後ろが中田さんや(田中)賢介さん、いい打者がしっかり返してくれるので」。仲間に感謝したが、4割4分6厘という高い出塁率と走塁への意識が、数字に表れている。

 次回登板は不透明。栗山監督は「もういけるところまでは来ている。ただどうすればチームが勝ちやすいかも考えている」。打者での存在感は、日に日に増している。【本間翼】