広島の連勝が4で止まった。中盤に投手陣が崩れ、逆転負け。それでも打線は2本塁打を含む12安打を放ち、最大6点差から2点差まで詰め寄った。チームの戦いに緒方孝市監督(47)は胸を張る。マジック点灯後、初めての敗戦だったが、ナイターで巨人が敗れたため、M13に。明日30日から本拠地マツダスタジアムで再始動し、さらにマジック減らしを加速させる。

 最大6点差に開いた展開でも、広島ナインは諦めなかった。8回に1点を奪うと、9回は丸の2ランなどで2点差まで詰め寄った。なおも2死二塁。1発出れば同点…という状況を作り出した。最後は会沢が空振り三振に倒れ、5日連続の逆転劇はならなかったが、明るい材料を手に名古屋の地を後にした。

 先制したのは広島だった。6回。待ちわびた大砲の1発が出た。エルドレッドが中日大野の外角低めに落ちるフォークに腕を伸ばして左中間席まで運んだ。出場10試合ぶりの1発が、両軍無得点だった試合を動かした。3試合連続長打をマークし「しっかりと球を捉える確率が高くなっている」。復調気配を見せる。広島外国人ではギャレット以来2人目の通算100号まで残り2本とした。節目の記録をモチベーションに、復調の手応えを確かなものに変えたい。

 もちろん、エルドレッドだけではない。一時は6点のビハインドを背負った試合も終わってみれば、2点差まで追い上げた。打線は12安打で好調を維持。東京、名古屋と続いたビジター6連戦は激戦続き、上位3人は6試合で30打席以上立った。疲労もピークを迎える時期。それでも最後まで力強いスイングを貫いた。

 明日30日からは本拠地マツダスタジアムでのDeNA3連戦だ。緒方監督は「また明後日から地元に帰ってからの6連戦、しっかり頑張っていきたい」と力強い言葉を残し広島へ向かった。今季マツダスタジアムでは39勝18敗1分け。圧倒的な強さを誇る。地元ファンの大声援を受け、再び優勝へのマジックナンバーを減らしていく。【前原淳】