西武が「投げる本田」こと本田圭佑投手(23)の背番号を、現在の45からサッカー日本代表FW本田と同じ「4」へ変更するプランを持っていることが8日、分かった。ポーリーノが退団し、現状は空き番号。鈴木葉留彦球団本部長は、U23(23歳以下)日本代表のエース格として同世代W杯優勝の立役者となった期待の右腕への「ご褒美」として、変更を検討することを明かした。U23メンバーは今日9日に帰国する。

 U23W杯決勝オーストラリア戦でも、1点リードの6回から登板し、2回無安打5奪三振。西武本田は、世界の舞台で圧巻の投球をみせ、日本を頂点に導いた。宮崎・南郷キャンプの練習場で、その活躍ぶりを目を細めて振り返っていた鈴木球団本部長は「そういえば、4番も空いている」と切り出した。

 サッカー日本代表の本田と同姓同名の右腕に、この番号を与えてほしいという待望論は、以前からあった。しかし同本部長は「芸能じゃないから」と話題先行になることに乗り気ではなかった。それがW杯を機に、考えが変わった。開幕のニカラグア戦で7回2安打無失点で勝利投手に。宿敵韓国戦でも8回1失点の好投で勝利につなげた。

 実力は証明された。単なる話題づくりではない。将来のエースとしての期待も込め、同本部長は「検討する」と明言した。大きな波及効果も望める。これをきっかけにサッカー本田の支持層が西武の試合を観戦したり、ファンになったりする可能性はある。ユニホームの売り上げに貢献する見込みもある。

 西武の本田は1月の新人合同自主トレで、体力測定のシャトルランで1位を取り「今日は自分の中にリトル・ホンダがいたかも」とサッカー本田の名言を引用したこともある。球団から背番号4を提案されれば、心の中のリトル・ホンダはおそらく「引き受けるか引き受けないかと聞かれれば、引き受けますね。あえてね」と答えるとみられる。

 サッカー本田もU23日本代表をステップに世界へと羽ばたいた。「投げる本田」も同様の飛躍を-。球団の期待は大きい。【塩畑大輔】

 ◆サッカー本田と背番号4 12年5月アゼルバイジャン戦に、日本代表として約300日ぶりに出場した際、それまでの18から4に変更。前線の選手としては珍しい番号に「スペイン代表MFセスクにならって」「大阪出身だけに川藤幸三さんに憧れて」などと、臆測を呼んだ。本人は「何を誤解しているのか」と苦笑しつつ「違和感があるのは、みなさんが常識にとらわれているから。4番が守備的というイメージを覆したい」と話した。

 ◆背番号4の投手 最近では08年ボーグルソン(阪神)が最後で、過去にもバッキー(62~68年阪神)武田一浩(92~95年日本ハム)藪恵壹(02~04年阪神)ら数人。西武の背番号4は前身の西鉄時代からすべて野手。