日本ハム栗山英樹監督(55)が、来季の開幕投手を含めたチーム構想を白紙とした。20日、札幌市内で行われた優勝パレードに参加。気温6・5度でも、沿道に詰めかけた13万8000人の観衆の熱狂ぶりを目の当たりにした。指揮官は「感謝、感激です。こんなにみんな喜んでもらえるなら、来年もっと喜んでもらわなきゃいけない。絶対に頑張ってやる」。喜びとともに、来季へ向けて思いを巡らせた。

 連続日本一へ、ゼロベースでチームを作り上げる。パレード終了後に自ら切り出した。「日本一になったからこそ来年はレギュラーを決めないで全員白紙でいかなきゃいけない」。先入観を捨てる。「オレはそういうタイプ」と、チームを1度壊し、新たな最強チームを構築する。2年連続で大谷が務めている開幕投手も「白紙だね」と、例外ではないことを強調した。

 強い覚悟を持って、信念を貫く。「実績に引っぱられずに、来年のメンバーの体制でこれが一番勝ちやすいというモノを考える」。大谷も指揮官の頭の中では、現時点で開幕投手候補の1人。来年は開幕前に第4回WBCが開催される。大谷が出場し、侍ジャパンが米ロサンゼルスで行われる決勝戦(日本時間3月23日)まで進めば、大谷がチームに合流するのはリーグ戦開幕(同31日)まで1週間を切った時期になる。

 あらゆる可能性を洗いだした上で、フラットな目線で最善の手を打つことだけを考える。先発ローテーションもブルペン陣の構成も野手のレギュラーも「全部、組みなおす」。日本一まで駆け上がった今季の日本ハムが完成型ではない。熱狂の優勝パレードを1年後も行うため、栗山監督はオフも休まず頭をフル回転させる。【木下大輔】