ビッグなマニフェストは、お立ち台7回! オリックスから阪神にFA移籍した糸井嘉男外野手(35)が26日、住之江ボート場で虎戦士として初のトークショーを行い、勝負師になることを誓った。午前中には毎日放送で情報番組「せやねん!」に生出演し、来季のお立ち台7回を公約。誓いを成し遂げるためにも、必ず勝負どころでキバをむく。

 ボートのエンジン音が鳴り響く。勝負師の血が騒ぎ出す。糸井は舟券ではなく、バットで勝ちをもぎ取る覚悟だ。住之江ボート場でのトークショー。100人前後の観衆に誓った。

 「僕はギャンブルはしないんですけどね。勝負勘を出して、1試合でも多く勝ちにつながる活躍をしたいですね」

 午前中には情報番組に生出演。来季の公約を求められ、背番号にかけて「お立ち台7回!」と声を張り上げた。今季の得点圏打率は3割1分3厘。タテジマに袖を通し、勝負強さに磨きをかけるつもりだ。

 マニフェストは必ず守る。16年もそうだ。昨オフのある日。体のメンテナンス中、テレビ画面に目を奪われた。タイトル獲得選手の表彰式が放送されていた。

 「オレも出たいな、と。まずはタイトルを目指して頑張ろうと思った。取れるなら何でもいいけど、盗塁を意識しながらやっていました。盗塁王を取ったコーチが2人入ってこられて駆け引きを学んだ」

 走り屋で鳴らした西村ヘッドコーチ、高橋打撃コーチの指導を受け、53盗塁でタイトルを獲得。「実は(タイトル奪取を)掲げていました」とニヤリ。17年も公約はきっちり実現する。

 テレビ生出演中には希望の打順を問われ「2番はちょっと打ったことがないですけど…。1、2、3ぐらいですかね」と苦笑い。勝利に導けるのであれば、打順にこだわりはない。

 FA宣言後も残留か移籍かで「迷いました」。自分の見出しが1面に躍るスポーツ新聞はあえて手に取らず、悩み抜いた末に新天地を選んだ。「優勝するために力を貸してほしい」。金本監督の熱い期待を裏切るわけにはいかない。

 番組中、阪神に骨を埋めるつもりかと問われると「そういう覚悟で頑張ります」と言い切った。生涯虎を誓い、目指すはセ界の頂点のみ。必殺仕事人、糸井の刀にかかる期待は大きい。【佐井陽介】