日本ハム栗山英樹監督(55)が連覇への金言を授かった。1日、教授として籍を置く白鴎大で特別講義を実施。講義前に同校で自身と同じく教授を務め、68年メキシコから3大会連続で出場した五輪で計8個の金メダルを獲得した体操界のレジェンド、加藤沢男氏(70)とも再会した。

 ソフトバンクとの優勝争いの渦中だった9月中旬、栗山監督は加藤氏から1通のメールを受信した。「本当に勝負どころの最後の部分は基本や原点が全てを決めるんだ」。采配への迷いを、消してくれたという。「先生もファイターズのことを気にしてくれていて、ここ1、2年、頻繁にメールをもらっている」と、今ではメル友だという。

 この日も2年連続の日本一へ金言を授かった。加藤氏から「勝ち続けることは、ものすごい大変。(日本一は)忘れる。勝ったことは財産にして、それに頼っちゃいけない。新しいことをやらなきゃ。次の策を考えないと」と。チームを一からの作り直すと明言している指揮官も「世界(のトップ)をあれだけ取られた方の言葉は重い」と、あらためて心に刻んだ。

 特別講義では約450人の学生に問いかけた。「教えてほしいんだよね(大谷の)違う二刀流のやり方」。大谷と同世代の若者から「クローザー」「守備に就かせる」など、ざっくばらんな意見に「来年の参考にします」と、熱心に耳を傾けた。勝負師としての感性も揺さぶられた1日。「ここからが(連覇への)スタート」と、気を引き締めた。【木下大輔】