「トルネード」の心強い理解者を得た。巨人育成1位のルーキー高井俊投手(21=BCリーグ新潟)が6日、投球フォームを「容認」された。日米通算201勝を挙げた元ドジャース野茂英雄氏を手本に、背番号が見えるほど体をひねる豪快なフォームが持ち味。BC新潟時代に「力強い直球にしたくて」と研究を重ね、今の形にたどりついた。ただクイックと制球がまだ安定せず、首脳陣のメスが入る可能性があった。

 阿波野秀幸3軍投手コーチ(52)は「オリジナルな部分は長所になるだろうし、なって欲しい。人と違う投げ方だから直せというものではない」と理解を示し、「まずは今のフォームで勝負させてみたい。それが評価されて、入団しているわけだから」と話した。近鉄時代に「本家」の野茂氏と5年間同僚だったこともあり、「野茂の良さは分かるし、課題もあった。(2人を)照らし合わせる部分がある。高井の良さを引き出してあげたい」と、今後の育成方針を明かした。

 高井はキャンプ初日から、中1日空けて計3回、ブルペン入りした。直球のみで、ここまで約150球を投じ「疲労はあるけど、トレーニングの疲れでもふらつかない下半身を手に入れたい」と充実の第1クールを終えた。ランニング走では常に投手陣の先頭を走っており、その姿勢には阿波野コーチも「練習態度とかで熱いものを感じる。必死にやっている部分が見えます」と感心する。6日はキャンプ初の休日で、高井は川崎市内のジャイアンツ寮で静養に努めた。「練習もきつくなるので、寮でいかに疲れを取るかが大事になる」と、13日から始まる宮崎での2次キャンプも見据えた。【中島正好】