ソフトバンク東浜巨投手(26)が24日、ドラフト1位田中正義投手(22=創価大)に救いの手を差し伸べた。東浜は12年ドラフトで3球団競合の末、ソフトバンク入り。注目を浴びた経験を踏まえ、なかなか実戦で結果が残せず、投内連係でも送球に苦しむ後輩に対し、まずはチームにとけ込むことを推奨。さらに野手陣とも積極的にコミュニケーションをとることを説いた。

 「僕も大学では報道陣に囲まれることもなかったし、1年目のキャンプが一番しんどかった。まずはチームになじむことじゃないですか。僕もいろんな先輩に優しく声を掛けてもらい、慣れてきたら自分から話しかけにいくようになった。いろんな人と会話することが大事だと思う」

 東浜の1年目には亜大の先輩松田をはじめ、投手陣では摂津や年の近い先輩らが声を掛けてくれた。野手との絡みも多かったようで「野手は見ている角度が投手とは違うので、結構新しい発見ができたり、意外に投球に生きたりもする」という。東浜はルーキーだった13年からの3年間は勝ち星が3→2→1と苦しんだが、昨年9勝。同じような境遇から花開いた右腕の言葉は、田中にも大きな意味を持つに違いない。東浜は「しっかりしているから大丈夫。自分のやることをやって、周りに流されなければ問題ない」と、悩める後輩の背中を優しく押した。

 東浜は今日25日の侍ジャパンとの一戦に先発予定。この日は休日を返上してキャッチボールなどを行った。「この時期に各チームの中心打者と対戦できるのはすごくいい機会。結果が求められる立場だが、まずは自分の投球ができれば」。侍という強敵相手に立ち向かう。【福岡吉央】