<オリックス8-5ソフトバンク>◇4日◇スカイマーク

 4番の不在はみんなでカバーした。オリックスがローズ欠場のピンチで、先発全員の12安打8得点。先発近藤一樹投手(25)が5失点したが一致団結の逆転、再逆転で5連敗を阻止し、勝率を5割に戻した。

 主役は、ローズが元気ならベンチが濃厚だった下山真二外野手(33)というのも何かの縁か。1点を追う5回。大村敬遠の後、ローから左翼へ逆転2号3ランを放った。「悔し涙で打席に入った。ここで凡退したら、家帰ってご飯ないんちゃうかと思って打ちました」。それまで3打席凡退で、先発で唯一ヒットがなかった。だがブログの「シモヤマンの一発かましたれ!」のタイトルを地で行く決勝弾で男を上げた。

 「やっぱりタフィーさんがいないのは大きいんで。相手へのプレッシャーも違う」。下山の言葉通り、チームは緊急事態に陥っていた。既にカブレラが右足親指骨折で離脱。さらに4番の欠場で、打線は迫力を欠いていた。

 だが2人の年俸分、マイナス6億円の今季最安値打線がピンチで団結。8回には「タフィーに教えてもらったことを形にしたかった」というフェルナンデスが3号ソロでダメを押した。

 ローズはベンチで最後まで声を枯らし、ナインを鼓舞した。そして最後はみんなで歓喜のハイタッチ。崖っぷちでオリックスが底力を見せた。【松井清員】

 [2009年5月5日11時58分

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