<西武5-11ソフトバンク>◇1日◇西武ドーム

 2ケタ失点の大敗にも、主砲の一打で光が差した。5回2死二塁。西武中村剛也内野手(26)が、ソフトバンク和田の初球チェンジアップに鋭く反応した。「うまく体を残せた」と振り抜いた打球が左翼フェンスにワンバウンドで当たった。3月21日ロッテ戦で二塁打を放って以来、実に27打席ぶりに「H」ランプをともし、今季初打点のおまけもついた。

 待ちわびた瞬間に西武ドームが、ベンチが沸いた。本塁打時の出迎えと同じように、片岡から背中をバンバンたたく祝福を受け、喜びを実感した。「久しぶりに出たんでね。ホッとしたっていうより、打てなくてチームに乗っていけなくて、フワフワした感じだった。そりゃ1本出た方がいいっすよ」。少しだけはにかんだ笑顔が、長いトンネルを抜けた証しだった。

 開幕8試合で、安打はまだ2本目。先月3日に自打球を当てて右目眼窩(がんか)底を骨折し、完治しないまま強行出場してきた。だが、微妙な感覚のズレが生じ、4番としてふがいなさを感じていた。周囲には平静を装ったものの、凡退して戻ったベンチでバットをたたきつけて悔しさをぶつけたこともあった。

 しかし2年連続本塁打王は、自分を信じた。試合前には、森打撃コーチとロングティーでフォームを確認。力を抜くことを優先するあまり、トップの位置にいくまで手が動きすぎていた点を修正し、久々の快音を響かせた。「明日からは気分的にも楽にいけると思うよ」と渡辺監督。あとは、代名詞でもある本塁打が出るのを待つばかりだ。中村は「これからはどっしり構えて打席に入れる」と1発を予告した。おかわりくんらしい豪快なアーチが、完全復調の合図になる。【亀山泰宏】

 [2010年4月2日7時48分

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