<日本ハム3-2西武>◇30日◇札幌ドーム
日本ハム糸井嘉男外野手(28)のバットが、延長の接戦にけりをつけた。4月30日の西武戦、2-2で迎えた延長10回2死満塁で糸井が右前打を放ち、今季初のサヨナラ勝ちを収めた。5回には一時同点となる3号ソロ。4打数2安打2打点の活躍で低迷するチームに活を入れた。好調西武相手にカード初戦を取り、今季2度目の連勝で巻き返しへのムードが高まってきた。
達成感と興奮とうれしさと…。アドレナリンが噴き出し、もう何がなんだか分からなかった。劇的ドラマの主役となった糸井は、手袋をつけたまま、右足にはレガーズをつけたまま、お立ち台へと向かった。野球人生で初のサヨナラ打。「初めてで、どうしたらいいのかわからなかった。チームメートの祝福?
何も覚えていません」と記憶がぶっ飛んだ。ヒーローインタビューでは「快打の要因?
え…、ファンの方のアレ(声援)のおかげです」。持ち前のキャラクターでスタンドの爆笑を誘った。
チームは3、4、9回と満塁の好機をつぶしていた。延長10回2死満塁は4度目のチャンス。「(チャンスは)もう最後だと思った」。フルカウントから内角直球を右中間方向へはじき返し、チームに今季初のサヨナラ勝ちをもたらした。だが、実は少しだけ悔しかった。直前の4球目を右翼ポール際へ、もう少しで本塁打の大ファウル。試合後のベンチ裏では「なんであれが入らんのや!」。サヨナラ打よりも大ファウルを悔やみ、「そこ~?」とチームメートから総ツッコミが入っていた。
16残塁の拙攻の中、孤軍奮闘の活躍だった。1点を追う5回にも、涌井からバックスクリーン右への同点弾。直前の守りでは、41歳木田が執念の力投で上本を三振に仕留めていた。「木田さんのガッツポーズも見ていたし、何とかしたかった」。ベテラン右腕を援護した貴重な1発は、2時間後に迎える歓喜のフィナーレへの序章だった。
誰もがうらやむ驚異の身体能力ゆえ、それが災いしての筋肉系の故障も多い。今季も左足内転筋が張るアクシデントに見舞われた。4月18日西武戦の欠場後は、同じような悩みを抱える建山から、筋肉を温める効果のあるマグネシウムの粉末をプレゼントされ、以来欠かさずに摂取してきた。徹底した自己管理が最高の一打へとつながった。建山も「(お返しが)高うついたね」と喜んだ。
チームは今季2度目の連勝。梨田監督も「これでノッていきたいね。何とかうちも元気になればいい」と明るかった。1日の先発はダルビッシュ。5月反攻へ、可能性が広がる熱い夜だった。【本間翼】
[2010年5月1日9時50分
紙面から]ソーシャルブックマーク



