<中日5-1ソフトバンク>◇12日◇ナゴヤドーム

 一度つかんだ勝ち運をがっちり離さない。中日吉見一起投手(25)が、ソフトバンク打線を7回4安打1失点に抑える好投で、08年以来2度目の6連勝。これで交流戦も通算18試合で7勝1敗、防御率1・13と、堂々の交流戦男だ。

 「初っぱななんで、勝たなくてはいけないというプレッシャーはありましたが、先頭を抑えて、ホームランを打たれないようにと思って投げました」

 許した得点は6回に川崎に浴びたソロ本塁打だけ。7イニングとも先頭打者を抑え、主軸には1本も安打を許さなかった。普段よりも内角球を多めに使い、交流戦2連覇中のソフトバンクをねじ伏せた。

 ガッツポーズも雄たけびもなかったが、心の中はメラメラと燃えていた。「強い相手ほど負けたくない」と常々口にする。「1、2番は出れば走ってくるし、3番から8番まで1発のある打者が並んでいる。巨人と対戦するような感じでした」。それでも、強気のピッチングで重量打線を手玉に取った。

 今季開幕(3月26日広島戦)は白星で飾れなかったが、交流戦の開幕は見事な白星発進。「(交流戦は)2連戦なんで頭を取ることが大事ですから」。カードの頭を任される男の責任感。当然のようにそう話す吉見の背中にエースの風格が漂っていた。【福岡吉央】

 [2010年5月13日12時22分

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