<ソフトバンク7-4広島>◇22日◇福岡ヤフードーム
ソフトバンク和田毅投手(29)が歴代単独トップの交流戦通算15勝目を挙げた。今季6勝目でも、7回途中4失点での降板を喜べる男ではない。「今日は情けなかった。最後まで自分が、という気持ちでいたのに…」。口をとがらせてマウンドを去り、笑顔なき金字塔となった。
不調でも開き直った。登板直前のブルペンでは「今年一番悪かった」と明かす。スタートから歯を食いしばり、気力で飛ばした。「前々回、前回と初回に走者を出して悪い流れをつくっていたので」。しつこく低めを突いて序盤3回だけで6奪三振。6回まで92球で3安打1失点に封じてゲームを組み立てた。完投ペースにも見えたが、球数が3ケタに達した7回に序盤のツケがまわってきた。上ずった球をとらえられ、1死一塁から3連打を浴びて3点を失った。
交流戦は通算15勝と白星を荒稼ぎしている。「自分の数字にはこだわらない」と前置きしながらも「まずい投球をしてれば勝てないわけで、それは素直にうれしく思う」と一定の充実感ものぞかせた。強さの秘密は、腕が折りたたまれリリースポイントの見えづらいフォームにある。見慣れている同僚の野手からも「プロで一番打ちにくい投手は和田。敵だったら打てない」と声が上がる。年に1回程度しか対戦のないセ・リーグの打者には脅威の存在となっている。
左ひじ炎症で離脱した昨季はちょうど1年前の5月22日広島戦で挙げた勝利を最後に、10月まで白星から遠ざかった。チームの優勝争いをよそに、西戸崎合宿所でネットを相手に投げる孤独なリハビリを強いられた悔しさは忘れていない。「去年は自分が抜けてからホールトンたちが頑張って交流戦を連覇してくれた。DJ(ホールトン)が戻ってくるまでいい形をつくりたい」。今年はここからが“腕”の見せ所。23日先発の杉内とともに、左腕2人が鷹の両翼を支えていく。
[2010年5月23日11時2分
紙面から]ソーシャルブックマーク




