<阪神1-6西武>◇27日◇甲子園

 西武涌井秀章投手(23)が“オレ流”を貫いて、ソフトバンク和田に並ぶ交流戦通算最多15勝目をマークした。2点リードの8回、突然乱れた。「次が代打で、この回が最後と思ったら力んだ」と3連続四球で1死満塁。打席に4番新井を迎えたピンチにも冷静だった。「最高、併殺というのが頭にあった。思い通り」と、外角スライダーで遊ゴロを打たせた。甲子園に響いた大きなため息を背に、涼しい顔でベンチに引き揚げた。

 「潮崎コーチに自作自演だなと言われました」と試合後はほおを緩めたが、マウンドで表情を変えることは1度もなかった。中日に敗れた前回登板後、報道で落合監督の言葉を目にした。「涌井っていいピッチャーだな。一切表情に出さない。(感情を)表に出す選手が多い中、淡々と投げている。久々に見た」。監督通算500勝目を献上した敵将からの思わぬ称賛は、何よりの自信になった。

 今季最速150キロをマークし、8回を5安打1失点で6勝目。2位ロッテとの差を今季最大2・5ゲームに広げた。「セ・リーグの打者は初球から振ってくるので、1球勝負のつもりで投げています」。相手がどこでも、勝負のマウンドで弱みは決して見せない。ポーカーフェースの涌井が頼もしい。【柴田猛夫】

 [2010年5月28日12時21分

 紙面から]ソーシャルブックマーク