<ソフトバンク6-1ヤクルト>◇2日◇福岡ヤフードーム
ソフトバンク松中信彦外野手(36)が、こん身のひと振りで小久保離脱ショックを振り払った。首痛と左肩痛で出場選手登録を抹消された小久保裕紀内野手(38)に代わり、ヤクルト(福岡ヤフードーム)に5番で先発。1回、館山から3号2ランを放った。4月6日ロッテ戦で2号を記録してから56日間ノーアーチと、自己最長ブランクを更新していたが、自らのバットで交流戦貯金1と、再び白星を先行させた。
万全でなくても、技術がある。松中が技ありの復活弾だ。1点を先制した直後。1回裏2死一塁。カウント2-0からの低めフォークを打った。流れる上体を右ひざで受け止め、すくった打球は、右中間スタンド最前列へ。3号2ランだ。
松中
本塁打は出ていなかったけれど、いつかは出ると思っていた。
長かった。4月29日に登録抹消され、5月22日に1軍復帰。1軍の舞台に戻り、28打席目。4月6日以来の1発となる「56日ブランク」は自己最長。だが、苦難の連続となったプロ14年目は、漫然と過ごしていたわけではない。新たな打撃フォームに取り組んでいた。タイミングをとる際、右足を細かく動かす。12月に37歳。豪打で鳴らした時代とは違うスタイルだが、現状にフィットさせるフォームを探求し、結果につなげた。
この日、5番に入った。1日は小久保が5番にいた。その主将が首痛と左肩痛で戦線離脱。昨年まで通算37度のアベック弾を飾ってきた先輩が、無念の思いでグラウンドを離れた。わずかな言葉だけでわかり合える間柄。前夜、小久保から「やっぱり、ダメだ」と声をかけられた。2軍を経験した松中らしく、ジョークで「(2軍で自己調整となる)放牧は大変ですよ」と答えたが、内心は誰よりも奮い立っていた。
主将不在の危機を救い、交流戦貯金1と再び白星を先行させた。秋山監督も「ノブヒコの1発が効いた。大きいのを期待しているからね」とたたえた。それでも松中は満足しない。「やっぱり、まっすぐをキッチリ仕留めたい」。今季3本のアーチは、すべて変化球を打ったもの。そして、言った。「(小久保離脱は)みんなでカバーしないといけない。チームが勝つために最善を尽くしたい」。主砲として、まとめ役として、背番号3にかかる期待は増すばかりだ。【松井周治】
[2010年6月3日11時21分
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