<巨人2-3中日>◇29日◇東京ドーム

 一瞬だけ、打球の行方に視線を送ると、巨人東野峻投手(24)はマウンドで両ひざに手を付いた。0-1の6回2死一塁、中日和田に左翼へ特大2ランを浴びた。この回、1死から森野に左前打を許したが、続くブランコは三振で2死。和田もフルカウントと追い込んだ。あと1球だったが、最後に外角へ狙った決め球のスライダーが真ん中に入ってしまった。

 ベンチで帽子を脱ぐと、悔しさをかみ殺した。「和田さんに打たれた1球ですね。ボール球で勝負しなければいけないところなのに…。失投という言葉では片付けられません」と言葉をしぼり出した。その裏、脇谷の2ランで1点差に追い上げたが、反撃は及ばなかった。結果的に、和田への1球の制球ミスが勝負の分かれ目となった。

 もっとも、東野だけ責められない。打線が援護できなかった。ネルソンに5回まで無得点。ラミレスは、すべて走者を置いた打席で3三振だった。東野は6回3失点と先発の責任は果たした。原監督も「(東野は)良かったと思います。(打線が)あと1本が出なかった」と敗因を挙げた。

 ただ、これで先発は15試合連続で白星なし。最後の先発勝利は、4日の阪神戦で東野が挙げたもの。その1勝が、7月唯一の先発勝利では、3年ぶり月間負け越しの原因は明らかだ。それだけに、先発ローテ定着2年目でリーグトップタイ11勝を挙げている東野への期待は大きくなる。斎藤投手コーチは「東野はトータル的には良かった」と前置きして、こう続けた。「失点を防げる状況で防いでいかないと。去年までとは違う。それができるレベルに来ているんだから」。

 雨で試合がなかった首位阪神と1ゲーム差に開き、3位中日には再び2ゲーム差に迫られた。3敗目となる1カ月半ぶりの黒星を喫した東野は「次、頑張ります」と前を向いた。激しさを増す三つどもえの争いで、東野の存在がカギとなるのは間違いない。【古川真弥】

 [2010年7月30日8時39分

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