「オー様」不在の窮地は、オレが救う！

　ソフトバンク李■浩内野手（２８）が５日、７０日ぶりに１軍復帰した。４日に負傷し登録抹消されたホセ・オーティズ外野手（３３）に代わり、この日１軍合流。６日の西武戦（西武ドーム）では代打での起用が濃厚だが、三塁でスタメン出場する可能性もある。韓国プロ野球通算１６０発の肩書を引っ提げ新入団したものの、ここまで思うような活躍ができていない助っ人がチームの大ピンチを救う。

　チャンスは、巡ってきた。「眠れる大砲」李■浩が、帰ってきた。負傷離脱したオーティズに代わり、この日午後、２軍遠征先の名古屋から、東京のチーム宿舎に移動。「１軍に戻ってこれたことは素直にうれしい。個人的に頑張ることはもちろん、大事な時期なので少しでもチームに貢献できるようにしたい」。外国人枠の問題もあり２軍暮らしを強いられていた男のコメントに並々ならぬ闘志がにじんだ。

　自身のためにも、母国のためにも、このままで終わるわけにはいかない。韓国プロ野球通算１６０発、０９年ＷＢＣベストナインの肩書を引っ提げ入団。だが、春季キャンプで松田との正三塁手争いに敗れた。開幕から主に指名打者として２７試合にスタメン出場したが、打率２割１分８厘、２本塁打。新加入したペタジーニにはじき出される形で、５月２８日からは２軍生活となった。プライドはズタズタに切り裂かれた。

　だが、腐らなかった。心を支えていたのは韓国時代の同僚であるロッテ金泰均の活躍。自分にもできないはずはない－。金泰均が遠征で福岡を訪れた際には、積極的に食事に誘った。電話で、日本人投手の傾向などの助言を求めたこともあった。日差しの照りつける雁の巣球場で真摯（しんし）にバットを振り込み、ウエスタン・リーグ出場３４試合で打率２割８分１厘、９本塁打。「ファームでいろいろ取り組んで結果も出てきている」と、もう不安などない。

　秋山監督も「ボムちゃんは（２軍で）結果が出てるからな」と、オーティズの代役として遜色（そんしょく）がないことを強調した。復帰初戦となる６日の西武戦では代打での起用が濃厚だが、三塁でのスタメン出場の可能性も十分にある。相手先発は涌井。５月７日の対戦で９回無死まで無安打投球を続けられる中、意地の左越え二塁打を放ち屈辱を阻止したのが李■浩だった。今回も必ず、チームの窮地を救ってくれるはずだ。【倉成孝史】※■は木ヘンに凡

　［2010年8月6日11時16分

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