<日本ハム10-4楽天>◇6日◇札幌ドーム
マウンドでは失っていた「らしさ」は、全開になった。日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が毒舌で、おまけの剛球を投げ込んだ。救世主の後輩、逆転勝利の立役者がターゲット。初めて分け合ったお立ち台で「中田さんのおかげで勝てたので良かったです」と持ち上げたが、その直後のベンチ裏。厳しい愛情表現で祝福した。
ダルビッシュ
試合前のアップも何度言ってもやらず…。(入団から)3年間、働いていないんで…。(プロ野球新の)56本打つまで認めません。
幸せそうに笑いながらも、バッサリ斬った。
注文はつけたが、パワーをもらった。公式戦の登板は実質、中19日。その間に球宴で1度、後半戦初戦の7月29日オリックス戦は15球を投げて雨天中止。ブランクの影響か、制球がばらついた。初回に2点を失うなど4回までに4失点。5回終了後の中断時間に、周囲の助言を聞きながらフォームを微調整した。仕切り直した直後の6回に、中田が同点弾。「フラフラしていたけれど、あれで気持ちが入った」と、本能が呼び覚まされた。
勝負の夏。接点のない“後輩”の奮闘も、励みだ。この時期の楽しみの1つが、高校野球のニュース。各地方などで、長身の本格派右腕に「○○のダル」など、自身をモチーフにした愛称が乱立。周囲と一緒に「いろんな自分がいるもんですね」とロッカー室などで目を通しているという。そのお手本のように必勝の使命を遂げ、5回以降は無失点。8回142球、12三振の粘投の面目躍如だった。
球宴で披露した「ライジング・カットボール」も交えながら苦心して、薄氷の1勝を積み上げた。「(10勝は)僕1人ではできないことですから」。中田と2人、そしてチームメートの助けは受けて5年連続の2ケタ、10勝目。最後は、自力で痛快に記念の一夜を彩った。【高山通史】
[2010年8月7日10時33分
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