<阪神13-1横浜>◇31日◇甲子園

 帰ってきましたで~!

 30日ぶりに本拠地・甲子園に戻ってきた阪神が、歴史的な猛打で横浜を粉砕だ。22安打が今季最多なら、2試合連続20安打以上もセ・リーグ初。8月3日から続いていた長期ロードを引っぱっていた鳥谷敬内野手(29)がこの日も2安打。8月の月間安打数を43とし、赤星憲広氏が持つ球団記録を塗り替えた。1日の相手も、4戦連続2ケタ得点と圧倒している横浜。この日敗れた巨人とのゲーム差は1となり、さあ、首位固めや!

 メモリアル安打は、美しいセンター返しだった。鳥谷は、8点リードした6回2死一、二塁で5打席目を迎えた。小林太の初球にバットを合わせた。2点適時打が甲子園の芝に達した。新記録の重圧をみじんも感じさせない初球打ちで球団の歴史を塗り替えた。

 「忘れていました。1本1本の積み重ねが43本につながった。何本とか意識せずに積極的にいこうとしたことがいい結果になった」

 8月の最終試合で、ものにした。赤星憲広氏が持つ月間42安打の球団記録に王手をかけて臨んだ横浜戦。右飛、四球、タイ記録の中前適時打、中飛。そして6回に金字塔を打ち立てた。

 前記録保持者の赤星氏は尊敬するチームリーダーの先輩だ。昨年は選手会長の後継者に指名されて、副会長のまま会議やイベントに同行した。そして引退した赤星氏から「チームの顔」として新選手会長のバトンを受けた。そんなレッドスターの記録を超えた。8月は102打数43安打で打率4割2分2厘と爆発だ。

 「いい時も悪い時もある。悪い時に辛抱して今につながった。キャンプからずっと変えずに継続してきた」。スタンスや右足を上げるタイミングを微調整するが、理想は軸回転打法。球をぎりぎりまで見極めることで好球必打にもつながる。記録がかかったこの日もあせることなく2四球を選んだ。「役割としてしっかりつなげることはつなぐ。四球をとる積み重ねが選球眼につながる」と言った。

 どんな打者にも波はある。鳥谷も5月に腰を痛めて調子を落とした。ただけがのリスクを減らす努力は怠らない。下半身に負担がかかる人工芝の球場では守備時にフットサル用シューズを履く。スパイクに比べて靴底のポイントが多く、足への圧力が分散されるからだ。攻撃時はベンチでスパイクに履き替えて打席に向かう。またフットサル用シューズを履いて遊撃へ。コンディション調整のために手間を惜しむことはない。

 チームは、今季最多の22安打の猛攻で3連勝を飾った。3日から始まった長期ロードは10勝13敗と負け越し。それでも首位の座に踏みとどまれたのは、記録的な猛打を続ける打線にほかならない。8月のチーム打率はリーグダントツの3割2分。その中心にいたのが、鳥谷だ。1リーグ時代を席巻した元祖ダイナマイト打線をもしのぐ破壊力を、本拠地のファンに見せつけた。

 この日敗れた2位巨人とのゲーム差を「1」として、早ければ3日にも優勝マジック22が点灯する。新記録を打ち立てた鳥谷は「シーズンが終わってみて振り返るかもしれないが、まだ先がある。残り30試合ですし。1試合1試合大切にして最後はみんなで優勝を分かち合いたい」。絶好調のチームリーダーが見据えるのは5年ぶりのリーグ制覇しかない。【益田一弘】

 [2010年9月1日11時46分

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