<阪神13-1横浜>◇31日◇甲子園

 甲子園の浜風もなんのその。猛虎打線に火をつけたのは、クレイグ・ブラゼル内野手(30)だ。2回に横浜先発清水から先制の39号ソロ。球団の助っ人では86年バース以来となる40号に王手をかけると、さらに3安打を重ね、打率を3割1厘とした。金本、新井のアーチも誘発し、今季初のAKBアーチ競演に導いた。最強助っ人がいる限り、強力打線は止まらない。

 慣れ親しんだ浜風と、久々の再会だ。ただいま-。時には憎らしくもある風との勝負。軍配はブラゼルに上がった。高々と舞った打球は無事、右翼席に着弾。真っ黄色に染まった甲子園が楽しそうに躍る。打つ。とにかく打つ。虎は白くても強かった。

 「最高の気分だ。鳥谷が先に打ったの(右飛)が風でアウトになったから、自分のもアウトだと思ったよ。よく届いてくれた」。

 2回だ。先頭で横浜清水を打ち砕く。カウント1-1、内角低めに外れるカーブを力の限りすくい上げた。右翼から左翼へ吹く浜風に完勝し、2戦連発となる39号先制ソロ。「先制点は投手にとっても大きいからね」。虎火山に噴火の合図を送ると、怪力助っ人はもう止まらない。2点リードの3回は右前適時打。5点リードの4回には5者連続安打となる中前適時打。3打席連続打点をあげ、6月29日中日戦(甲子園)以来、今季3度目の4安打と大暴れだ。爆勝を導いたのは間違いなくこの男だった。

 十分なエネルギーが宿っていた。8月26日に愛息トロット君が1歳の誕生日を迎えた。東京から帰阪した前日8月30日の休養日、神戸市内の自宅でお祝いパーティーを開催した。初めてのプレゼント、子供用で運転できる車のおもちゃは米国アラバマ州の自宅に保管。その代わり、大木通訳からカタカナで「トロット」と彫られたはんこを贈られた。「トロットが部屋中にペタペタとはんこを押してしまってね…」。照れ笑いするパパの表情には幸せがにじみ出る。プライベートで蓄えたパワーを両腕に込め、毎日バットで家族サービスを続けている。

 怪力助っ人の大爆発に導かれ、チームは2戦連続20安打を達成。今季最多の1試合22安打で13得点をたたき出した。「自分が打点をあげなくても、誰かがあげる。誰もがチームに貢献しているよ」。謙虚なブラゼルはこれで虎助っ人では86年バース(47本)以来、14年ぶりのシーズン40発に王手をかけた。「もちろん、ホームランキングは取りたいけど、それより優勝を大事に思っている」。B砲の目標にブレはない。【佐井陽介】

 [2010年9月1日11時14分

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