決意の本拠初打ちダ!

 ソフトバンクにFA加入した内川聖一外野手(28)が1月31日、福岡ヤフードームで1時間超のマシン特打を行い、キャンプ地・宮崎入りした。異例の練習移動は新天地にかける思いの表れ。ヒットマン内川が今日1日のキャンプインへ、万全の態勢を整えた。

 福岡出発の5時間前。正午すぎにバット1本とグラブ1個を持った内川が、福岡ヤフードームに現れた。1人きりで球場内にこもること2時間半。帰り際、気持ちよさそうに本拠初練習を振り返った。

 「昨日は引っ越しなどがあって練習できなかったし、一昨日も体を動かせなかった。3日間も(練習を)あけるのはさすがにですね。打撃?

 はい。マシンです。軽くですよ」

 軽く、と言いながら、本拠初特打は1時間超に及んだ。横浜時代もキャンプ移動日に体を動かしたことはあるが、本格的な練習が異例なのは間違いない。本拠で汗を流すことに意味があったという。

 「西戸崎に行こうかと思いましたが、ヤフードームでも打てると聞いたので。両方で打っておこうかと思って。今年はこれまでと状況が違う。慣れない面もありますので、やれることはやっておかないと」。

 右打者最高打率(08年、3割7分8厘)をマークし、3年連続で打率3割超のヒットマンとはいえ、新天地ではチームに溶け込むことからスタートする。打撃面での自信は揺るぎないが、新たな環境のもと、気苦労は計り知れない。1月27、28日に西戸崎合宿所では練習済み。1月の自主トレを地元大分で進め、やり残したことは本拠での練習のみだった。キャンプ移動日に足を運んだのも、内川にとっては自然の流れと言える。

 掲げる目標は大きい。両リーグでの首位打者に加えシーズン最多安打の新記録も狙っている。全ては地道な1歩から始まる。一塁側の選手ロッカー奥にある室内打撃ルーム。球春到来を前日に控えた日に1人で黙々と球を打ち返す行動が、胸に秘める思いを象徴していた。最低目標にリーグ連覇を掲げてキャンプインするホークスに、異例の特打移動を敢行した内川が新風を吹かせる。

 [2011年2月1日12時24分

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