<横浜3-2阪神>◇8日◇ハードオフ新潟

 阪神鳥谷敬内野手(29)が横浜に意地の一打を浴びせた。8回1死二塁の同点チャンスで中前にはじき返し、2-2と追いついた。沈黙していた打線に息吹を吹き込む一撃になったが、敗戦後の表情は当然硬かった。

 「やっぱり、何とか最初に先制点を取らないといけなかった」。3回1死一、二塁で空振り三振に倒れたシーンを悔やんだ。試合の主導権を握り損ねた責任を背負い込んだ。

 それでも、3番打者の5試合ぶりの2安打がチームの明るい材料になったのは間違いない。初回2死から右翼線を破る二塁打。このカード初安打だ。

 そして8回の同点打。7回に1点を返し、反撃ムードが盛り上がる中で回ってきた打席で期待に応えた。左対策で投入された篠原の緩いスライダーをしっかりとらえ、左腕の足元を鋭く襲った。新潟の阪神ファンが集った左翼席をようやく盛り上げた。

 1週間の遠征を終え、明日10日からはホームに首位広島を迎える。3連敗の重い事実にはあえて背を向けた。

 「負けたことはもう返ってこない。あさってから頑張っていく」。

 バスに乗り込んだ選手会長の両目には生気が宿っていた。【柏原誠】