<楽天1-0日本ハム>◇11日◇Kスタ宮城
楽天が鉄平外野手(28)の今季1号で連敗を4で止めた。不振が続く岩村明憲内野手(32)が今季初めてスタメンを外れるなど、4連敗中3試合が無得点という打線を一部組み替えて臨んだ日本ハム戦。0-0の6回2死、前日まで打率が1割台と苦しむ主将が、均衡を破る1発を右翼席に運んだ。先発の永井怜(さとし)投手(26)は4安打に抑え、今季初の完封で2勝目を挙げた。
肩口から入ってくるスライダーだった。鉄平が、武田勝特有の、ボールゾーンからの軌道に踏み込んでいった。平石先輩からヒントをもらい、左右の手を入れ替えて打つ練習を反復してきた。効果はてきめんで両脇は絞れ、力が逃げずに伝わる形をキープしていた。
踏み込んだ。右足爪先が、ミートする最後の最後まで赤土をつかんだまま動かなかった。右足を軸とし回転。バットをぶつけるときれいな放物線がライトへ。「感触は芯。本塁打の欄が0から1となって、少しホッとした部分はあります。今日は永井で」と無機質な鉄平だったが、両軍無得点の6回2死から打った1号ソロには十二分の価値があった。
「左打ちの右軸」という極めて高い打撃技術を持つ。ボールを呼び込むのではなく、打ちに行った状態から止まり、長い打撃ゾーンを確保する。鉄平のティー打撃を見たヤクルト宮本が「素晴らしい。右がまったく動かない。なるほど、と思う」と話したことがある。踏んだ右足爪先が時計回りに回転せず、グッと地面をかむことが「1つのバロメーターではある」と自身も見る。開幕からやや不安定だった土台がバチッと固まり11年1号は生まれた。
茶色のバットを持って球場入りした。昨年の映像も凝視した。24時間打撃について考え結果を出した。星野監督は開幕から不調だった鉄平の打順を下げ、時に9番も打たせた。鉄平のフリー打撃は連日あらゆる角度から「ガン見」し状態をチェック。「まだだ」と手綱を緩めなかった。「1発出て変わってくれればと思ってる。上手に腕をたたんで打ったな」。寡黙なヒットマンの能力を買っているからこそ特別扱いせず、もう1段高いステージに昇華させようと思っている。星野楽天の初代主将にふさわしい男に磨き上げるつもりだ。【宮下敬至】



