<楽天1-0日本ハム>◇11日◇Kスタ宮城
日本ハム武田勝投手(33)が勝ち運に見放された。楽天戦で7回を4安打1失点と好投しながら、打線の援護に恵まれず、3敗目を喫した。チームは今季、3度の完封負けがあるが、いずれも武田勝が先発した試合。これで27イニング援護なしと不運に泣いた。ソフトバンクが勝ったため、14日ぶりに首位から陥落した。
悲運の快投は繰り返された。武田勝は、現実を直視した。チームの今季3度の完封負けが、いずれも登板試合。27イニング連続無得点と、打線の援護に恵まれなかった。口を真一文字に結び、誰も責めずに前を向いた。「自分でゼロに抑えて、我慢強くやっていくしかない。気持ちを切り替えます」。受け入れがたい今季3敗目にも、努めて気丈だった。
前夜のダルビッシュVS岩隈のように、張り詰めた投手戦。再現VTRのように、1発で沈んだ。6回2死から鉄平に内角スライダーが分岐点。捕手・大野のサイン通り、投げ込んだ1球に泣いた。右翼席へ運ばれる先制ソロが、終わってみれば決勝点になった。丹念にベースの四隅を突き、楽天打線を降板した7回までわずか4安打。卓越した投球術で圧倒したが、白星だけが足りなかった。
勝ち運に見放された。昨季はダルビッシュをしのぐ14勝を挙げた、チームの勝ち頭。抜群の防御率1・59が示すように、使命を遂げて報われずにいる。梨田監督は「0点の時もあれば、1点を取って勝てる時もある。野球の摂理」と、無情の1敗を嘆いた。4安打2四死球では、打つ手もなし。4月27日以来、14日ぶりに首位陥落する一夜は、左腕エースへの思いも重なり、不快指数満点だった。
届けたい思いが、あった。登板2日前の9日。同い年の高橋の巨人へのトレードを、都内から仙台へ移動中の新幹線内で知った。かつてバッテリーも組み、プライベートでも親交が深い気心が知れた間柄。「心の準備をしていなかった」。交流戦などで、食事をする約束のメールをして再会を誓っている。次回マウンドは17日に開幕を控えた交流戦。忍耐の日々は続く。長いトンネルを抜ける時を、じっと待つ。【高山通史】



