FA封印…日本一まで!

 ソフトバンク川崎宗則内野手(30)がシーズン終了までメジャー挑戦の話題を封印する考えを明かした。19日に海外全球団との交渉が可能になる海外フリーエージェント(FA)権を取得する。来季、海外挑戦の可能性は高いが、まずは8年ぶりの日本一に全力を傾ける。

 川崎は夢への切符を目の前にしてもぶれることはなかった。17日、横浜スタジアムでチーム練習に参加。「19日に海外FA権を取得するが」という問いに何回も首を横に振った。「シーズン終了までプレーに集中したいか」と聞かれ、縦に大きく何度も首を振り、親指を立てた。

 「目の前の1戦1戦を全力で戦っていくだけ」。

 プロ入り前からイチロー(マリナーズ)を尊敬してやまない。メジャー志向は強い。06年3月のWBC期間中に懇願し、同年のオフから4年連続で師匠と自主トレを行った。ともに汗を流し、間近でプレーを見ることで尊敬の気持ちとメジャーへの思いは高まった。

 昨季5月末に国内FA権を取得した際には「可能性は持っている。いろんなことに挑戦したい」と、メジャー挑戦の希望を初めて明言した。国内FA権は通過点とし、プロ12年目にして海外FA権取得に至った。

 まずは、それよりも大事なことに集中する。チームは交流戦を、ぶっちぎりで優勝。リーグ連覇と8年ぶりの日本一に期待が高まる。前回の日本一は、自身がレギュラーに定着した03年。いまやチームの顔として、攻守でナインを引っ張っている。8年前とは全く意味の違う日本一を、何が何でもつかみたい思いがある。

 「横浜もいいチーム。1つ1つ全力で戦っていくだけ」。

 普段通り打撃練習に全力で汗を流し、18日からの横浜2連戦に気持ちを向けた。夢への思いにきっちりフタをかけ、8年ぶりの日本一に突っ走る。